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休職とは?休職の手続きや休職中に利用できる手当について解説します

 

医療法人社団結糸会 おりたメンタルクリニックでは、社会人の休職から復職まで、多くの患者様を支援しています。

クリニック、リワークセンター、オンライン診療を組み合わせ、複合的にサポートできるため、多くの方からご相談を頂いております。

 


 

 

休職とは?

休職の手続きや休職中に利用できる手当について解説します

 

 

近年、うつ病などの精神疾患を理由に休職する方がいます。

また新型コロナウイルス感染症により、心身ともに影響を受け、長期間休職する方もいるのではないでしょうか。

 

実際に休職する場面に出くわしたとき、利用できる休職の種類がわからず、手続きが上手く進まない方がいるかもしれません。そこで本記事では、休職の種類や手続きの方法について解説します。

 

これから休職を考えている方や、現在休職中の方などはぜひ参考にしてみてください。

 


 

休職とは

休職とは、本人の都合により会社から承諾を得て、一定期間の労働を免除してもらう制度のことです。

休職制度は、所属する会社の就業規則によって内容が異なります。

給与補償制度を導入している企業の場合は、休職中であっても、給与・賞与が発生します。

一方で、給与補償制度がない企業の場合は、給与・賞与が発生しません。

 


 

休職と休業・欠勤の違いは?

 

休職と休業、欠勤との違いがわからない方に向けて、それぞれの違いについて解説します。

 

 

休職と休業の違い

休職と休業の違いは、休暇が発生する「理由」です。休職の場合は、本人の都合で会社に申し出ることで、休暇が取得できます。一方で、休業の場合は、会社都合で休暇が発生するのが特徴です。

 

たとえば会社が経営難になったり、災害などによって会社が操業できなくなったりした場合に休業になります。また、育児や介護の理由による休業や、病気・労働災害による休業も該当します。休業の場合、法律に基づいて給付金や補償が発生する点も休職と異なる点です。

 

休職と欠勤の違い

休職と欠勤の違いは、「労働の義務があるか否か」です。

休職の状態の場合、労働の義務はありません。そのため、留学や傷病などの個人の都合で会社に休暇を申し出ることで、就業規則で定められた内容に沿って労働が免除されます。

 

一方で欠勤の場合は労働の義務があるにもかかわらず、労働提供がなされていないため、契約不履行となる場合があります。

 


 

休職の種類は?

休職の種類には、さまざまなものがあります。

主な休職の種類は以下の通りです。

 

  • 傷病休職
  • 事故欠勤休職
  • 自己都合休職
  • 出向休職
  • 公職就任休職
  • 組合専従休職
  • 起訴休職
  • 留学休職

 

企業の就業規則によって、休職が認められるかどうかが変わります。気になる方は自身が勤める企業の就業規則を確認しておきましょう。

 

傷病休職

傷病休職とは、業務中や通勤中に発生する労働災害以外の病気や怪我を理由とする休職のことです。従業員が病気で働けない場合、もしくは怪我で働けない場合に傷病休職を取得できます。

傷病休職を利用する場合、医師による診断書が必要です。また病気や怪我が治り、復職する際にも医師による診断書が欠かせません。

 

事故欠勤休職

事故欠勤休職とは、傷病以外の自己都合による休職のことです。何らかの容疑をかけられ、逮捕・勾留された場合の休職を指します。休職期間中に就労可能になれば復職できますが、就労できない場合は、自動的に解雇もしくは退職の状態となります。

注意しなければならない点としては「事故」という名称であるものの、交通事故などが理由で生じる欠勤ではないという点です。通勤中に交通事故が起きた場合は労災扱いであり、プライベートで交通事故にあった場合は傷病休職扱いとなります。

 

自己都合休職

自己都合休職とは、災害復興支援活動や社会福祉施設でのボランティア活動への参加を理由に行う休職のことです。自己都合休職を認めるかどうかは企業によります。社会貢献や地域支援などを重要視している企業であれば承認される場合もあるでしょう。

 

出向休職

出向休職とは、労働者が他の会社に出向し、出向元で労働ができなくなることで休職扱いにするものです。会社都合の休職になるため、休職期間中の給与に関し、不利益が出ないよう考慮されます。休職期間は、出向中の期間が該当します。

 

公職就任休職

公職就任休職とは国会議員や都道府県知事、市町村首長などの公職に就き、企業の労働と両立できない際に利用する休職のことです。

 

組合専従休職

組合専従休職とは、組合専従者を休職扱いにするものです。組合専従者とは、会社との雇用契約を維持しつつ、労働組合の業務のみを行う者を指します。

 

起訴休職

起訴休職とは、刑事事件で起訴された期間に勤務できない際に利用できる休職のことです。

起訴休職の期間は、判決が確定するまで、もしくは一定期間とされています。企業が起訴休職を命じるための要件には、企業の社会的信用が失墜し、職場の秩序に支障が生じる可能性があることが含まれます。休職命令に合理性がある場合は、起訴休職が成立するでしょう。

 

留学休職

留学休職とは、海外留学などで長期間の休職が必要になった際に利用できるものです。

留学休職の対象は、語学や資格、技術などの習得を目的としたものが挙げられます。留学で習得した能力を、復職後に活かすことを目的としている企業であれば、承認される可能性があるでしょう。

 

 


 

休職の手続きはどのようにする?

休職の手続きについて、具体的な流れを解説します。

主な流れは以下の通りです。

 

  1. 休職を申し出る
  2. 必要書類を提出する
  3. 休職スケジュールを設定する
  4. 休職する
  5. 復職の判断を行う

 

それぞれ詳しく解説します。

 

休職を申し出る

まずは休職したい旨を人事担当や直属の上司に申し出る必要があります。

会社の就業規則に従って休職を申し出るのが一般的です。

場合によっては、欠勤が数日間続いた結果、休職を申し出るケースもあるでしょう。

 

必要書類を提出する

病気や怪我を理由に休職する場合は、医師の診断書が必要な場合が多いです。

また会社によって所定の休業申請書がある場合は、それに必要事項を記載し、提出しなければなりません。

 

休職スケジュールを設定する

医師の診断書を含む必要書類を提出する際に、休職者と会社で休職スケジュールを設定してください。そのために、会社側の休職制度について、説明を受けましょう。休職期間中の給与支給に関する条件や連絡手段などについて確認をしておくことをおすすめします。

 

休職する

病気や怪我などが理由で休職する際は、治療に専念しましょう。

会社によっては、休職期間中に定期的な連絡をしなければならないケースがあります。

就業規則を事前に確認した上で対応してください。

 

復職の判断をする

休職期間が終了したら、復職が可能かどうかを判断しなければなりません。

病気や怪我を理由に休職していた場合は、医師の判断が必要です。復職するにあたって、会社と復職プランを作成しましょう。

 

復職プランを作成するために必要な内容は以下の通りです。

 

  • 復職後の業務内容
  • 復職日時
  • 業務中に配慮すべきこと

 

復職後にいきなり従来通りの業務が行えるかはわかりません。そのため、会社側と復職後の業務内容について、無理のない範囲ですり合わせを行いましょう。復職日時や出勤日数、就業時間についても十分に話し合っておくことが大切です。

 

復職する

具体的な復職プランができたら、事前に決めた日時に復職しましょう。会社によっては、模擬出勤や慣らし出勤などの制度があるため、利用できる場合は積極的に活用してください。復職後、いきなり復職前のパフォーマンスで業務を遂行するのは難しいため、段階を踏んで慣らしていきましょう。

 

 


 

休職中に利用できる傷病手当金とは?

業務外で病気や怪我の療養のために長期間、休みを会社に申し出る必要がある場合、給与の支給が発生しません。その際に利用できるのが、傷病手当金です。

傷病手当金を受給するためには、いくつかの条件があります。主な条件は以下の通りです。

 

  • 業務外で生じた病気や怪我で労働できない
  • 連続して4日以上休んでいる
  • 社会保険に加入している
  • 休職中に会社から給料が支払われていない

 

それぞれの条件について解説していきます。

 

業務外で生じた病気や怪我で労働できない

業務外で生じた病気や怪我が理由で労働が不可の場合、傷病手当金の対象となります。

一方で、業務中や通勤途中で病気や怪我が生じた場合は労災保険の対象となり、給付されます。

 

注意すべき点としては、自己申告だけでは認定されない点です。

傷病手当金は、担当医の意見や業務内容などを考慮し、管轄の健康保険組合・健康保険協会・共済組合が判断するという点を把握しておきましょう。

 

 

連続して4日以上休んでいる

連続して3日間休むと、待期期間が成立します。その後、4日目以降からが支給対象となります。注意すべき点としては「連続しなければならない」という点です。

 

たとえば2日間休暇を取った後数日間勤務し、再び2日間休暇を取る場合、合計の休暇期間は4日間になります。しかし連続して休暇を取っていないため、傷病手当金の対象にはなりません。注意しておきましょう。

 

 

社会保険に加入している

フリーランスや自営業で国民健康保険に加入している場合は、対象外になります。

一方で以下の条件を満たす場合は、受給中に退職して被保険者でなくなっても、継続して残りの期間分が受給できます。

 

  • 資格喪失時に傷病手当金を受けている、もしくは受ける条件を満たしている
  • 退職日までに継続して1年以上の被保険者期間がある

 

現在、会社員で今後フリーランスや自営業への移行を検討している場合は、事前に把握しておくといいでしょう。

 

 

休職中に会社から給料が支払われていない

通常通り給与が会社から支払われている場合は、傷病手当金の対象外となります。

たとえば有給休暇を取得している期間中は、給与が発生するため、傷病手当金は受給できません。一方で給与が一部だけ支給されており、傷病手当金より少ない場合は、差額分が支給されます。

 

 


 

休職中に利用できる傷病手当金の支給額・もらえる期間は?

休職中に利用できる傷病手当金の支給額が気になる方に向けて、支給額の具体例を解説します。また受給できる場合の期間についても解説しますので、参考にしてみてください。

 

傷病手当金の支給額

傷病手当金の1日あたりの支給額は、厚生労働省保健局によると、以下の通り定義付けられています。

 

1日につき、直近12ヶ月の標準報酬月額の平均額の30分の1に相当する額の3分の2に相当する金額とされています。

 

                ※引用:厚生労働省保健局「傷病手当金について」

 

 

たとえば過去1年のうち、10ヶ月分の標準報酬月額が30万円であり、2ヶ月分の標準報酬月額が35万円だった場合は、以下の計算式の流れになるでしょう。(あくまで参考例です)

①傷病手当金が初めて支給される月以前の直近1年間の標準報酬月額の平均値

(30万円×10ヶ月+35万円×2ヶ月)÷12ヶ月=30,8333333

 ② ①の平均値÷30日(日額を算出)

30,8333333÷30日=1,02777778(約10,300円)

③ ②の額の3分の2(支給額を算出)

10,300円×2/3=約6,900円(1日につき支給される額)

 

 

傷病手当金が支給される期間

傷病手当金が支給される期間は1つの病気や怪我に対して最長1年6ヶ月です。

注意すべき点としては、支給開始日から1年6ヶ月である点です。

1年6ヶ月を超えると、同じ病気や怪我を理由に受給できなくなります。

 

一方で、療養中に傷病手当金を受給している時に退職しても、退職日までに1年以上被保険者期間があれば継続して残りの期間分は受給可能です。

 

万が一支給期間を過ぎた後も病気や怪我が回復せず、労働できない場合は、障害年金が受給できます。障害年金は、傷病手当金より少額ではあるものの、受給期間はありません。また回復して労働できるようになったものの、もとの会社を退職して就職先が見つからない場合は、失業給付の手続きを行うといいでしょう。

 

 


 

休職中に利用できる手当の種類や条件

 

休職中に利用できる手当の種類はいくつかあります。

利用できる主な手当は以下の通りです。

 

  • 介護休業給付金
  • 育児休業給付金
  • 出産手当金
  • 労働者災害補償保険
  • 傷病手当金

 

自身の状況によって給付できるものが変わります。利用可能な条件や給付額を確認して、状況に応じて活用してください。

 

介護休業給付金

介護失業給付金とは、2週間以上の間、常時介護を要する家族のために介護休業を取得する場合に利用できる給付金のことです。また、復職予定であり、休職前の80%以上の給与が支給されていないことが条件になります。

 

1度の介護休業で最大93日間、同じ家族に対して最大3回まで申請可能です。

支給額は休業前の6ヶ月の平均日額の67%です。

 

育児休業給付金

育児休業給付金は、復職予定の方が、休職中に休職前の80%以上の給与が支給されない場合に利用できる給付金のことです。給付できる期間は、育児休業開始日から子どもが1歳になる前々日まで支給されます。支給額は、最初の180日間は休職前の給与の67%が支給され、181日目以降は50%が支給されます。

 

出産手当金

出産手当金とは、出産を目的に休職する際、休職中に給与の支給がない場合に利用できる手当金のことです。受給できる期間は、出産日の42日前より、出産の翌日以後56日目までです。支給額は、休職前の給与の2/3を日割り計算した額が受給できます。

 

労働者災害補償保険

労働者災害補償保険は、業務上の病気や怪我で休職する際に利用できる保険のことです。

業務上、あるいは通勤時に発生した病気や怪我で勤務が不可能になり、休職中に会社からの給与支給がない場合に利用できます。

支給額は、休業補償給付として給付基礎日額の60%が支給されます。また休業特別支給金としては、給付基礎日額の20%が受給可能です。

 

傷病手当金

傷病手当金とは、業務外の病気や怪我で休職する際に受給できる手当のことです。

連続する3日間を含む4日以上労働ができない状態であり、休職中に会社からの給与支給がない場合に利用できます。支給額は、標準報酬日額の2/3の額が支給されます。

 

 


 

 

まとめ

 

休職とは、本人の都合により会社から承諾を得て、一定期間の労働を免除してもらう制度のことです。

休職にはさまざまな種類があり、本人の状況や会社の就業規則に応じて利用できる休職は異なります。

休職する際は、会社の就業規則を確認し、復職までのスケジュールを設定しておきましょう。

 

傷病手当金とは、業務外で病気や怪我の療養のために長期間、休みを会社に申し出る必要がある場合に利用できる手当金のことです。

傷病手当金を受給するためには、以下の条件を満たす必要があります。

 

  • 業務外で生じた病気や怪我で労働できない
  • 連続して4日以上休んでいる
  • 社会保険に加入している
  • 休職中に会社から給料が支払われていない

 

傷病手当金以外には、以下の給付金も利用できる場合があります。

 

  • 介護休業給付金
  • 育児休業給付金
  • 出産手当金
  • 労働者災害補償保険

 

休職中は自身の状況や会社の就業規則などを確認し、利用できる給付金を活用して、生活に支障が出ないよう注意しましょう。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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